臨床検査専門医とは
臨床検査専門医とは、診断や治療に役立つ検査結果と関連する情報を臨床医に提供し、検査結果の信頼性を維持するために臨床検査全体を管理する医師のことです。臨床検査専門医は、臨床検査技師と協力し的確かつ迅速な臨床検査の実践のために日々取り組んでいます。
臨床検査専門医の具体的な業務としては、下記のものが挙げられます。
- 診断コメントの作成
- 検査についての臨床医からのコンサルト対応
- エコーなどの専門検査の実施ならびに読影
- 臨床検査の精度、品質の管理
- 検体検査管理加算の取得
- 新たな検査の研究、開発
日本専門医機構により新たな専門医制度の枠組みが決まりましたが、臨床検査専門医はその専門性と独立性の高さから、19の基本診療領域の1つとして認定されています。
臨床検査専門医の特徴
臨床検査専門医の特徴として、以下のものが挙げられます。
- 幅広い分野に対応する知識と技能を修得できる
- 多くの診療科や部門との連携を取りやすい
- 診療が研究に結びつきやすく、研究の時間を多くとれる
- 受け持ちの入院患者を持たない(ベッドフリー)
- ワークライフバランスを考えやすく、女性医師にも適している
- 検体検査加算などの取得に関わり、病院の経営面に貢献できる
これらの特徴から、他の診療領域の医師が臨床検査専門医を取得することも多く見受けられます。臨床検査医学は幅広い診療分野に関わりますが、それまでに身につけた専門性を生かして活躍しやすい専門医でもあります。 また、資格を有することで検査の質の向上のみならず、病院の経営面でも貢献できるため、様々な医療機関において重宝される資格といえます。
臨床検査専門医プログラムについて
臨床検査専門医を取得するための認定施設は、日本臨床検査医学会により定められています。群馬大学医学部附属病院検査部は、群馬県で唯一の臨床検査専門医の認定施設として登録されています。
専門医制度では、初期臨床研修修了後の医師が3年間専門研修をすることを基本としており、臨床検査専門医でもこれに沿ったプログラムを各施設で用意し、日本臨床検査医学会により承認を得ています。
臨床検査専門医を取得するためには、総論として臨床検査の特性や検査室管理など、各論として一般検査、臨床化学検査、免疫検査、血液検査、遺伝子検査、微生物検査、生理機能検査について、幅広く学びます。 臨床検査専門医プログラム研修の登録後に、各施設での研修を経て、専門医試験を合格すると臨床検査専門医の資格を取得することができます。
専門医取得までの詳細については、日本臨床検査医学会のホームページを参照してください。
http://www.jslm.org/recognition/purpose/index.html
サブスペシャリティのご紹介
新たな専門医制度では、基本領域の専門医を取得したのちに、さらに細かい領域の専門性を極めることを目的とし、サブスペシャリティが設定されています。臨床検査専門医が取得できるサブスペシャリティは、学会で協議されていますが、現在までに以下のものが想定されています。
- 超音波専門医
- 消化器内視鏡専門医
- 感染症専門医
- 臨床遺伝専門医
- 人間ドック専門医
群馬大学医学部附属病院検査部のプログラムの特徴
群馬大学医学部附属病院検査部は、全国の医療機関の中でも臨床検査専門医の取得率が高く、また、臨床検査専門医が多く所属しています。また、全国の国立大学でも数少ない臨床検査の外来診療を行っているなどの特徴を持ち、専門医を取得しやすい環境が整っている施設です。
群馬大学医学部附属病院検査部のプログラムは、大学病院での研修に加え、県内の臨床検査医学の指導医のいる地域の総合病院での研修と組み合わせることも可能としています。
プログラムの詳細については、以下のPDFを参照してください。
http://www.jslm.org/recognition/program/10gunma2017.pdf
臨床検査に興味を持たれた学生、研修医の皆さん、他の診療領域の医師の方々、群馬大学で臨床検査専門医を目指してみませんか。