群馬県の精度管理事業
群馬県では、群馬県・群馬県医師会・群馬県臨床検査技師会・群馬大学で構成されている群馬県臨床検査精度管理協議会が主体となり群馬県臨床検査精度管理調査を毎年実施し、2018年度で33回目となります。臨床検査の質的向上と信頼性を確保することを目的としています。群馬県内の医療機関で同一の試料等を測定し検査値の正確さが保たれているかを検証します。実施項目は一般検査、血液検査、臨床化学検査、免疫血清、微生物検査、輸血検査、細胞診検査、生理機能検査です。群馬大学検査部では精度管理調査実施に協力し重要な役割を担っています。
これまで、病院ごとに検査値や判断の基準となる物差し(基準範囲)が異なっていたため、結果の解釈に困難が生じていました。そのため検体の取り扱い方や測定法の標準化が必要となりました。群馬県では平成14年より施設間差の是正を目的とした臨床検査標準化事業を行っています。群馬大学検査部は、県内の基幹病院と共にこの事業に取り組んでいます。
検査値の標準化事業
肝臓など臓器の働き具合を調べるために、血液中の酵素(AST,ALT, γ-GTなど)の活性が検査されます。今まで、病院毎にこの検査の値や判断の基準となる物差し(基準範囲)は異なっていましたが、これでは患者さんにも医療従事者にも不都合です。群馬県下のどの医療機関で検査しても同じ値が得られるようにするために群馬大学医学部附属病院検査部と群馬県医師会、群馬県臨床衛生検査技師会、群馬県の4者により群馬県の検査値の標準化事業が2002年4月から始まりました。現在、AST・ALT・LD・ALP・CK・γ-GT・アミラーゼ・総コレステロール・中性脂肪・コリンエステラーゼ(ChE)の10項目について標準化を実施しております。HbA1cの標準化では基準施設の群馬大学医学部附属病院に14の医療施設を加えた15施設を基幹施設として施設内、施設間の精度管理と精密さの確認を行った後、群馬県内の42の医療機関が連携し、施設間格差の是正と精度向上を進めています(2018年3月現在)。